一橋浪人生の勉強法

受験生の受験生による受験生のためのブログ。一橋大学を目指す浪人生が、科学的に正しいとされる勉強法を実際に試し紹介していくブログです。

勉強ができなくなる不確実性の恐怖

2020/8/13浪人146日目 残り156日

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 こんにちは。カイドウです。今日の記事は学習を6ステップに分けて解説する記事の一つです。今日は学習の初期段階を終えてさらにその分野を習熟する際に注意しなければいけないとあることについて解説していきたいと思います。4段階目の始めの記事になります。一連の記事の全容を確認したいという方はこちらからまとめ記事に移動してください。

★学習を6ステップ解説!〜学習の科学総まとめ〜 - 一橋浪人生の勉強法

 

 

 

 

軽くおさらい

 これまでの記事では、1段階目の記事で学習を始める前に、その分野に対してモチベーションを高める為に「価値を見出す」ことが大事だと説明し、そのための方法を紹介しました。

 2段階目からは数記事に分けて各段階の内容を紹介しています。

 2段階目は「標的を定める」と題して、なぜ目標設定が大事なのか、どのような目標設定が大事なのか、さらに学習をする前に知っていると良い3つの考え方について解説しました。つまり1段階目と2段階目は学習の準備段階の話です。

 そして3段階目は「能力を伸ばす」、ようやく学習初期段階の解説に入りました。この章では、学習の要とも言えるフィードバック、成長に不可欠なマインドセット、そして効率的な勉強法を一つ紹介しました。

 これらの段階を経て今日から解説する4段階目の「発展させる」、次の「関連づける」、最後に「再考する」と続きます。

 この章立ては「Learn Better」という学習の仕方を科学的に解説した本の章立てによっています。しかし、このブログで解説しているのは「Learn Better」の内容から受験生が使える内容を大胆にまとめあげ、さらに追加で色々と加えたものとなっています。

 「Learn Better」は机で行う勉強だけを対象にしたものではなく、スポーツや武道なども包括した「学習」を進めるための方法がこのブログより詳細に、そしてわかりやすく書かれています。個人的には超おすすめです。

 

 

 ではおさらいをしたところで、今日の本題に入っていきましょう。

 

受け入れる心

 なんの話だと思いますか?

 これまでの一連の記事を読んだという人はわかるかもしれません。またマインドセットの話です。

 この学習の科学シリーズを投稿しはじめてから何度も話題に上がるマインドセット。学習をする上ではトップクラスに重要です。

 では、何を受け入れるのでしょうか?

 

 学習の段階が発展段階に入ると特に、学習の不確実性を受け入れることが重要になります。

 

 もちろんこれは学習の初期段階においても大事なことですが、学習がある程度進むとさらに正解が一つであることは少なくなってきます。一問一答形式なんて親切なものはありません。そのレベルの学習では成長できないのです。確実なものが少なくなって、その分主体的に考え発見しその学習分野の構造を理解しなければいけないのです。

 つまり、もっと「活動的」な学習が必要になってきます。もっと知的苦労を要する活動が必要になってきます。そしてもっと複雑な問題が待っています。

 受験で一番わかりやすいのは、論述や小論文といった問題でしょう。これにはある程度模範解答がありますが、明確な答えは存在しません。

 

 

確実さが大好き。

 私たちは確実性に捕われています。80%の確率で4000円もらえるのと、100%の確率で3000円もらえるのとでは期待値は前者の方が高くても、私たちは後者の100%を選ぶでしょう。

 しかし先に述べたように、学習は進むにつれてどんどん不確実性を増していきます。受験だったら論述であり、大学になれば答えのない議論やレポート。院に進み専門家になればもはや答えがある方が珍しいでしょう。

 

 武術やスポーツでもこれは同じことです。例えばテニスなら最初に正しいフォームというのを習います。そして正しいフォームで打てるように、手で優しく投げられたボールをまっすぐ打つ練習をします。これを何度も繰り返して反復し、ボールの軌道や先輩のアドバイスによってフィードバックを得ます。

 しかし、試合になるともうそこに優しい球上げなど存在しません。相手のボールはどこに来るかわからないし、自分が打つべき場所もその場で判断しなければいけません。打つべきコースや試合展開にある程度の模範解答は存在しますが、一つに定まる確実な正解は存在しません。

 

 学校で私はよくこんな質問を先生にしました。「先生、どこまで覚えればいいんですか?ここまで勉強すれば大丈夫ですか?」と。皆さんももしかしたら質問したことがあるかもしれません。この質問こそ愚の骨頂でしょう。学習とは確実性が保障されたものではないことを知らなかったのです。

 

 

先達の力

 不確実な学習を進める上で頼りになるものが二つあります。

 それが、先達と創造性。

 

 道の先を知っている指導者は私たちの学習を導いてくれます。個別指導の学習効果が他の学習をぶっちぎっていることは以前紹介しましたが、それには確実性のない学習を生徒に合わせて導いてくれるからという理由もあるのです。目標設定において的を絞ることが大事だと紹介しました。良いフィードバックは先行予測の要素が必ず含まれると紹介したこともあります。

 つまり、「やることが明確さ」は学習にとって行動力を高めてくれる重要な要素であるということです。

 そして不確実な学習においても「やることの明確さ」を保障してくれる存在として先達は大切なのです。

 兼好法師こと卜部兼好も「仁和寺にある法師」の例をあげて簡潔にこう記しています。

少しのことにも、先達はあらまほしきことなり

 

 

 

創造性を発揮する

 次に創造性の話です。学習を深める、発展させる段階になると創造性は不可欠になります。

 わかりやすいのはやはり歴史でしょう。歴史家は自身の想像力を持って現存している文献から歴史的文脈を作り出します。それが正しいのかはわかりませんし、その説に賛成する人が多ければそれが歴史的事実となります。

 他にも、実験でわかった結果がもう一度同様の実験を行っても再現できなくて覆ることもあります。

 私たち学習者にもこのような創造性が必要です。与えられた情報を覚える段階ではないのです。不確実で少ない情報から自分の創造性によって、新しい発見をしたり精緻な理解を進める段階なのです。

 

 意外と簡単な数学の問題にもこの創造性の必要性は現れます。

 17×41=

という問題。普通に筆算することももちろんできます。しかし、17×40+17×1というふうにすれば暗算でも解けます。他にも方法はあるでしょう。

 この簡単な問題ですら解き方は一つに定まりません。況やなんたら…です。

 

 

 しかし、創造性が必要と言われてもどうすれば良いのかいまいちピンと来ないと思います。

 今日ここで説明したいのは、実際にどうするだのということではありません。それは後日の勉強法の記事で紹介します。この記事は大袈裟にいうと、確実性が受け入れられない心を変えることを試みているのです。

 実際、学習分野が既に解明されているもので確実なものだと思っている人よりも、未だに曖昧で発見や探究が必要なものだと考えて学習している人の方がよく学ぶことができるという研究結果があるようです。

 まずは学習に対して確実性の幻想を抱くのをやめて自ら開拓できるという意志を持ちましょう。その心もちが深い学びを促します。

 

 

完璧主義は身を滅ぼす

 この項では少し趣を変えて、確実性に似た性質の完璧主義というものについて解説したいと思います。

 

 完璧主義とはなんでも完璧を目指してしまう性質のこと。この性質を持っていると初めから自分に完璧を求めてしまうのでできないと自分を必要以上に責めてしまい学習に対して負の感情がたまります。また、完璧を目指すあまり準備も完璧になるまで勉強を始めず、逆に勉強をしなくなります。

 私は今でもこの気質がこびりついています。完璧にできたことなんて一回もないのに何故かついついベターではなくベストを目指そうとしてしまう。私がよくやりがちなことは、「今使っているものよりも良い勉強法を発見するとこれまで学習した範囲もやり直したくなる」というもの。実際にそんなことをすれば、勉強法を変える度に1からやり直しになるので一生浪人生でしょう。目指せ63浪なんつって。(日本人男性の平均寿命が81歳なのでそこから18を引きました)笑えない冗談です。

 

 この記事を読んでいる方の中でこれまでに自分が立てた計画を一切の狂いなく達成できた人が1人でもいるでしょうか?

 おそらくいないでしょう。いいえ断言できます。そんな人はいません。もしいるとすればその人はきっと未来予知の超能力を持っていて、前頭葉が私たちの100倍くらいでかいはずです。(つまり自制心が強いと言いたかったんです)

 みんな同じです。最初から完璧を目指せば、行動が起こしづらくなります。

 

 ですから、完璧ではなく完了を目指しましょう。最初から勉強ができる人がいないように最初から満点が取れる人がいないように、最初から完璧な人はいません。最初から完璧を目指せばそれはあなたに適したレベルのタスクではなくなります。ひとまず完了することを目指して、その完了を積み重ねていく。そうすればやがて周りの人から見れば「この人はこの教科は完璧だ」みたいな感じになります。決して実際に完璧ではないでしょうが。

 

 あまり推奨できる勉強法ではないですが、よく受験までにこの教科書を七周は読んだ!というような話を耳にします。これは完了を積み重ねている良い例です。

 例えば、「検索練習じゃなきゃ勉強じゃない!」と言って必ず検索練習で勉強することを誓った人がいたとして「今日は検索練習で思い出しながら勉強するほどやる気が出ないから明日に回そう」となるよりも、「やる気でなくて検索練習で頑張って思い出そうとする気分ではないけど、教科書読むくらいならできるから今日やる範囲は読むだけで勉強したことにしよう」という風に進める人の方が実際には成績を残すでしょう。

 

 初めから完璧を目指せばいつまで経っても完璧とは程遠い場所を彷徨います。完了を積み重ねましょう。塵も積もればなんとやらです。

 

 

まとめ

 めっちゃ記事が長くなりました。すみません。今日の振り返りをすると、

  • 不確実性を受け入れること
  • 先達と想像力が大事なこと
  • 完璧主義をやめて完了主義になること

 

 です。次回から実践的な勉強法の話になると思います。お楽しみに〜

 

 

一言コメント:英語の現在完了形って、「present perfect」ですよね笑