2020/8/4浪人137日目 残り165日
こんにちは。カイドウです。
これさえやっとけばひとまず安心、みたいな勉強法があったらなんだか嬉しくないですか? ひとまずこの勉強法をやっておけば確実に他も勉強法よりは効果があると科学的に証明されているようなもの。
さらにその勉強法が難しくないと理想的ですね。手順が色々とあったり、場所が限られるような勉強法は扱いが難しいし習慣にもなりにくいです。
やっぱり手軽に使えて、なおかつ科学的な根拠がある勉強法があると受験生としては嬉しいわけです。
今日は学習を6段階に分けて解説する「学習の科学シリーズ」(今命名しました)の第3段階目「能力を伸ばす」のラスト記事として、手軽に使えて科学的根拠のある勉強法を紹介したいと思います。
いい話には裏がある(笑)
前回の記事(苦行の心理学)を読んだ方は、この記事の始まりを読んで眉をひそめたに違いありません。
前回の記事の内容をおさらいすると、「学習とは楽しい作業ではなく苦しい作業である」と言うことは現代の心理学者も皆揃えてうなずく科学的に証明された一つの見解でした。
にもかかわらず、手軽で効果のある科学的勉強法があるなんて言っても信じられるはずがありませんよね。
実際、今日紹介する勉強法は知的労力を非常に要します。しかし手順は至ってシンプルですし、自分で成果が出たことを実感すればきっとこの程度の知的労力は屁のようだものと感じるでしょう。
知的労力と実際に感じる苦労は別物というわけです。数学を解いているときの頭を使っている感覚(知的労力)と、目的地へ行くときに乗り換えが4つも5つもあるときの面倒さは全然違う感覚ですよね。
今日紹介する勉強法は脳が苦労して自分は面倒じゃない勉強法です。
記憶には二つの機能がある。
この勉強法を紹介する前に、記憶に関して一つ説明しなければいけない原則があります。
それが、記憶はどんなものでも「保存」と「検索」の二つの力を持っている。
というものです。ざっくり紹介すると、保存の力は衰えることがなく、意識的に記憶したことはどんなに時間が経っても私たちの脳の中にあるということ。
検索の力は逆に使わなければ衰えて、いずれは脳に保存されている記憶も検索の力がゼロに近くなることで「こんなことやったけ?記憶にないな」という状態になります。
つまり、私たちが一度勉強したことは脳から消えてしまうことはなく、記憶に備わっている検索の力が衰えることで思い出せなくなっているだけなのです。
そして、検索の力はその記憶を使うことで強化されます。使わない記憶はどんどん検索の力が衰えていくのです。
脳に苦労させる勉強法
勉強した知識を使えるようにするには検索の力を高い状態に保っておくことが大事になります。
今日紹介したい勉強法は検索の力を最大に保つための方法です。
それが、検索練習という勉強法。
そのままですね。
検索の力は思い出すときに強化されます。さらに検索の力が弱まっているときに思い出すと最も強化されます。
つまり、忘れた頃(=検索の力が弱まっている頃)に思い出すことが一番の勉強法になるのです。これが検索練習の大事なところ。
この検索練習は教科書の再読とか、ノートを取ったりするよりはるかに知的労力を必要とします。
しかしやることは簡単。思い出すだけです。別に凝ったまとめノートを作る必要もなければ、教科書を何周もする必要はありません。
実際に検索練習とテキストの再読を比較した実験では検索練習グループが再読グループに比べて1.5倍も良い成績をとったことが確認されています。
まず、思い出す作業をどんな勉強にも取り入れてみましょう。再読するなら思い出してから確認に再読をするようにするとか、授業受けたらその後に5分だけ授業内容を思い出してみるとか。なんでもいいです。夜寝る前に今日勉強したことを思い出す習慣を作ってもいいですね。
そして慣れてきたら最大効果を狙って、忘れた頃に思い出すというのを実践しましょう。
勉強した内容を時間を開けて思い出してみるのです。そういう時間をとってもいいですし、復習テストみたいなのがあるのなら、それを1週間後とかにもう一度解いてみるのもいいでしょう。忘れた頃に問題を出してくれる勉強アプリを試すのも手です。例えば分散学習帳とか。
検索練習は記憶の性質が絡んでいる誰にでも通用する勉強法です。もちろん模試や小テストなどで皆さんも行っているものではあります。ですがこの検索練習を意識的に自分の学習に食い込めたなら単純計算でこれまでの1.5倍効率が良くなります。
脳が思い出そうと苦労するだけ、記憶の検索能力は高まります。
まとめ
今日の記事で、3段階目「能力を伸ばす」が終わりました。これまでに紹介した1段階目から3段階目までの内容を少しでも取り入れれば効果を実感できると思います。
次回から、4段階目「発展させる」に入ります。この段階はこれまで的を絞って一点に割いていたリソースを広げる必要が出てきます。3段階目では勉強法が検索練習しか出てきませんでしたが、4段階目ではその分野の理解を深めたり、自分の知識に構造を持たせるようなプロセスを積極的に学習に組み込んでいきます。つまり、3段階目までは勉強法が「検索練習」しか出てこなかったのに対し、4段階目からは学習を深めるために様々な勉強法を紹介します。
ちょっと盛り沢山なので、記事にするのが難しいのが難点です笑
まず、1段階目から3段階目までに紹介したことで自分に合いそうなものを試してみてください。この学習の科学シリーズは勉強法の比重が大きいので、先延ばしやモチベーションに関して対策を知りたいという方は検索欄から検索してみてください。
ではでは〜